本日は「楽天市場」と「Amazon」の出品形式の違いについて説明します。出品形式が異なるため、お客様側にも出品者側にもそれぞれメリット、デメリットが出てきます。ちなみに、2020年の調査によると、国内では、メイン利用しているECサイトは楽天市場が41.4%、Amazonが38.1%と拮抗しています。(データの出典:MMD研究所)
図1に楽天市場とAmazonの出品形式の違いを示します。
楽天市場は、出店する場所を提供します。出品者は商店街に自身のショップを出店するイメージです。お客様はそのうちの1つのショップを訪れ、商品を購入します。各ショップの中で様々な商品を取り扱っています。時には、別のショップで同じ商品を扱っている場合もあります。そして、ショップにより値段が異なることもあります。
Amazonは、Amazonという大きなスーパーマーケットに商品棚を提供しているイメージです。1つの商品は、Amazon内で1つの商品ページで販売されています。そして、1つの商品ページに対して複数の出品者が出品しています。ちょっとわかりにくいですが、実際のAmazonのカタログを見ると一目瞭然です。
図2にAmazonの商品ページの例を示します。同図に示したボタンを押すと、図3に示す、出品者一覧が表示されます。図3では①~③の3人の出品者が表示されています。小さい字で17個のオプションとあり、この商品の場合は17人の出品者が同じ商品を出品していることになります。
Amazon小売部門が自社で仕入れ・販売を行っていることもあり、その場合は販売元に「Amazon」と表示されます。
ほとんどの方は図2の「カートに入れる」から購入すると思います。どの出品者が図2のページに表示されるかはAmazonがアルゴリズムで決定しています。言い方を変えると、Amazonがどの出品者から購入するとよいかおすすめしてくれます。基本的には、最も価格が安くレビューのよい出品者をおすすめしてくれます。
ここでは、楽天市場とAmazonのメリット・デメリットとして考えられることを説明します。なお、出品形式の違いによるメリット・デメリットに限定しています。ポイントサービスに関することは含めません。
表1に出品者側から見たメリット・デメリットを示します。また、表2にお客様側から見たメリット・デメリットを示します。
楽天市場ではお店ごとに店舗ページや商品ページを作成できますので、商品の魅力を伝えるページ作りが可能です。写真が豊富にあり説明もしっかりしたページが多いと思います。お客様側としても、この説明を見て十分に理解した上で購入が可能です。一方、ページの自由度が高いため、出品者側としては作りこみが必要です。お客様側としても、店舗ごとに異なるページを読解する必要が生じると考えられます。
Amazonでは、複数の出品者で同じ商品ページを共有しています。このため、商品ページのフォーマットは固定で自由度はありません。したがって、出品者側のデメリットとして、他店舗との差別化要素が少ないことが考えられます。お客様側としても、商品の情報が限定されてしまうことが考えられます。メリットはこの裏返しで、フォーマット固定のため、出品者側としては商品を出品するまでのラグがありません。お客様側としては、見やすく比較しやすいというメリットがあります。また、Amazonが最安の出品者をおすすめしてくれるので、基本的に最安値で購入できます。
表1 出品者側から見たメリット・デメリット
メリット | デメリット | |
楽天市場 | ・お店ごとに特徴を出した店舗ページが可能 ・商品の良さが伝わる商品ページが可能 | ・ページの自由度が高い分、作りこみが必要 |
Amazon | ・商品ページのフォーマットが固定のため、作りこみが不要で出品までのタイムラグが無い | ・商品ページのフォーマットが固定のため、他の出品者との差別化要素が少ない |
表2 お客様側から見たメリット・デメリット
メリット | デメリット | |
楽天市場 | ・商品についての詳細な写真・説明がある | ・商品ページは店舗ごと異なるため、ある程度読解が必要 |
Amazon | ・最安価格で購入できる ・商品ページが統一されているため見やすい | ・写真や説明などの情報量が限られる |
本日は楽天市場とAmazonの出品形式の違いについて解説しました。違いによりメリット・デメリットがあります。ただし、楽天ポイントやAmazonプライムなど魅力的なサービスもあるので、利用するサイトを選ぶ際はこのあたりも考慮する必要があります。